「ここ1〜2年で、呼吸器領域の治療は劇的に変わりました。とくに肺がんは、世界規模で治療の選択肢が増え、局所進行肺がんに対する手術適応も増え、進行肺がんの予後も改善しております」開口一番、佐々木正人診療教授は、呼吸器領域の治療が格段に進歩していることをアピールした。とくに「オプジーボ」や「キイトルーダ」といった、いわゆる免疫チェックポイント阻害剤の登場が、治療の選択肢を広げ、自身の専門である外科領域にも変化をもたらしているというのだ。
「肺がんの標準治療は、これまで手術、抗がん剤、放射線が3大治療法でした。その後、分子標的薬が加わり、最近ではオプジーボなどの免疫療法を含めて今や5大治療法になりつつあります。加えて、がんの遺伝子検査が肺がん症例では必須になり、PET検査による精度の高い病期診断が可能となりました。週に一度呼吸器内科、放射線科とともに合同カンファレンスで治療方針を決めるなど、内科医、外科医、そして、放射線科医が一丸となって取り組める、集学的な治療環境も、当院の大きな強みになっています」
北陸自動車道を福井インターで降りて国道8号に向かって進む。鯖江方面に車を走らせると、やがて福井県済生会病院、福井赤十字病院などの基幹病院が見えてくる。下河北交差点を右折し、県道229号線に出て最初の信号を右に曲がると「さくら病院」の文字看板が目に留まる。
インターからほぼ20分、幹線道路に面し病院からのアクセスもいい。ロケーションの良さが、そのままさくら病院の存在を際立たせていると言えなくもない。
「距離が近いこともあって、日赤(福井赤十字病院)、福井県立病院、福井大学医学部附属病院、福井県済生会病院などからの紹介が多いですね。下り搬送といって、基幹病院の救急外来で治療を受け、入院せずにそのまま直接、当院に搬送されるケースもあるんですよ」
福井市中心部の東西に延びる幹線道路に沿って桜並木が続く。桜の名所として市民に親しまれてきた〝さくら通り〟に、令和5(2023)年5月に開院した「さくら通り整形外科クリニック」は、このクリニックならではの魅力にあふれている。
一例を挙げるならば雰囲気だ。待合室は白や木目調のやわらかなテイストで統一され、大通りに面してガラス張りのリハビリ室はゆとりある広さと天井高を確保し、太陽光が温かく降り注ぐ。スタッフもみな笑顔が印象的だ。
エントランスをくぐると、建物の真ん中にしつらえた吹き抜けが明るい雰囲気をつくり出している。今回、スポットを当てる坂井市立三国病院看護部は看護師・看護補助者を含めて103名(2025年2月現在)。ガラス張りの大開口から注ぐやわらかな自然光に照らされた看護スタッフの姿を通して浮かび上がってくるのは〝地域に根差した医療のカタチ〟と言えるだろう。
三国病院の歴史は古く、今から143年前の明治15(1882)年にさかのぼる。公立坂井病院として開院し、同22(1889)年に町立三国病院へ。そして、平成18(2006)年に坂井郡4町(三国町、丸岡町、春江町、坂井町)が合併し坂井市が誕生したのに伴い、現病院名に改称された。
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