会長メッセージ

スギ薬局グループの経営理念の源流は
「目の前のたった一人のお客様を大切にする」想いと行動。
変革の時代にこそ、価値創造の源泉となるグループの強みを最
大化し、持続可能な社会の実現を目指します。

代表取締役会長 榊原 栄一

スギホールディングス株式会社

代表取締役会長原 栄一

2022年度は、私と社長である杉浦克典の二人三脚、そして、社内、社外取締役、監査役含めて、総力戦で臨んだ2年目でした。エネルギー・原材料価格の高騰、急速な円安に伴う物価上昇など、景気の先行きにつきましては依然として不透明な状況が続いています。加えて、4月に実施された薬価・調剤報酬改定の影響による処方せん単価の下落および一部調剤報酬の大幅な引き下げ、出店競争のさらなる激化など、業界を取り巻く経営環境は一層厳しさを増しています。これまでの固定観念、既成概念を打ち破る新たな変革とそれを実行するスピードが求められる激動の時代だからこそ、あらためて“地域社会への貢献”という我々の存在意義をより一層意識し、経営理念のもと、常に原点に立ち戻って判断、行動することが大切です。そして、その大切さを約35,000人の全社員に説き続け、判断と行動の軸を強化し続けることが、私に与えられた役割として、最も大きなものになっています。

創業時から掲げる「不易流行」。変化を続ける流行こそ不易の本質。
当社グループが進化することがお客様一人ひとりを大切にすること。

「不易流行」はビジネスにおいても普遍的な概念として、当社グループ経営理念の礎となっています。創業から幾度となく迎えた岐路において、「いつまでも変わらないもの」と「時代に合わせて変化すること」を軸に、経営判断をしてまいりました。外部環境のすさまじい変化に対応して、当社グループ内も各部署、各業務で、相当のスピードと量で進化しています。一方で、流行を一生懸命追うあまり、不易の大切さを置き去りにすることのないよう、不易と流行のバランスを保ち、次世代、次々世代へと続く企業へと導いていかなければなりません。

2023年度の行動指針は、“一人ひとりに向き合う”

凡事徹底、当たり前のことを当たり前のように行い続けることはとても難しく、何年たっても当社グループの大きな課題です。その課題に向き合うために、あらためて、“一人ひとりに向き合う”コミュニケーションの強化を重視していきます。創業からの基本的な考えである「目の前のたった一人のお客様を大切にする」、経営理念にある「社員一人ひとりのしあわせ、お客様一人ひとりのしあわせ」にも表されているように、すべては“一人ひとり”から始まります。価値観、戦略、方針、組織・個人の考えや気持ち、その他すべての情報を正しく伝え、正しく伝わり、正しい行動となり、それがお客様や患者様を大切にすることにつながるように、あらためてコミュニケーションの強化に注力していきます。

ガバナンス強化に注力し、持続可能な企業へ。

経営理念の浸透、不易部分の追求、コミュニケーションの強化に加えて、もう一つの私の大きな責任は、“ガバナンスの強化”になります。地域、社会に対して持続的に貢献するためには、超長期的な視点で経営リスクを洗い出すとともに、ガバナンス体制を強固なものとし、長期的な成長のための基盤を整備する必要があります。社外取締役による監視、内部監査室の強化、また、多様性の尊重による柔軟な考え方の導入で、一致団結し、気候変動への課題を含め、当社グループで設定している各種重要課題に向き合い、いかなる変化にも対応できる体制を構築し取り組んでいきます。また、スギ薬局グループは、お客様や患者様の大切な情報をお預かりし、一人ひとりにあわせた情報・サービスを提供していこうと考えています。そのためにも、情報セキュリティに関する教育、対策を万全に行い、経営を進めていきます。当社グループの経営理念のもと、これからもお客様、そして社会にいかにして価値を提供し続けるかを日々模索し、挑戦し続け、まもなく迎える創業50年、そして次の100年へと続く未来を創っていきます。