会長メッセージ

1兆円企業への飛躍を見据え、確かな成長と企業統治の両立へ。

代表取締役会長 榊原 栄一

スギホールディングス株式会社

取締役会長原 栄一

健全な成長を遂げるために。

愛知県西尾市の1店舗の「かかりつけ薬局」から始まったスギ薬局は、地域のお客様の健康相談はもちろん時には人生相談まで受けるような創業者夫婦の人柄が評判の繁盛店でした。「お客様のために誠心誠意尽くす」という創業時の接客のあり方は、やがて「目の前のたった一人のお客様を大切にする」というスギ薬局グループの揺るぎない考え方となり、今も社員一人ひとりの胸に刻まれています。
「変わることのない本質的なものを大切にしつつ、新たな時代の変化に機敏に対応する」ことを意味する「不易流行」の「不易」とは、まさに創業時から失うことなく継承し続けてきたお客様第一の姿勢といえるでしょう。
現在、スギ薬局グループには新たな仲間が次々と増えており、2024年9月には阪神調剤薬局を中心に全国展開する I&H株式会社(阪神調剤グループ)が新たに加わるなど、出店エリアを広げ続けています。さらに、海外事業の拡大に伴うパートナー企業の増加により、スギ薬局の物販事業・調剤事業を通じた地域社会への貢献はもとより、海外におけるヘルスケア領域への貢献も可能となってきました。
このようにグループネットワークの広がりが加速する今こそ、企業の規模を追うだけではなく、健全な成長に邁進する必要性を痛感しております。その原点となるのが「目の前のたった一人のお客様のために」という考え方であり、スギ薬局グループが一丸となるべくその共有に尽くすことが私の重要な責務の一つと考えます。

ガバナンスの強化に注力し、持続可能な企業へ。

スギ薬局グループは、2024年度売上高8,780億円を達成し、右肩上がりの成長を続けております。この成長曲線の先にあるのが「1兆円企業」という一つの到達点といえるでしょう。その実現のためには「不易流行」の「流行」を意識し、盤石の経営体制で激動する時代の変化に機敏に対応しなければなりません。
近年、SNSをはじめとする情報拡散のスピードがかつてないほど加速しており、企業の信頼は一瞬で左右される時代となりました。このような社会を迎えたことで、企業のガバナンスとリスク対応のあり方が極めて重要となっています。

来年度迎える創業50年、そして次の100年へと続く未来を創るためにも、超長期的な視点で経営リスクを洗い出し、コーポレートガバナンス体制をより強固なものにするための取り組みに着手しました。
それはトラブルの未然防止と迅速な対応のために、社内のリスクマネジメント体制を強化することです。そのため外部監査機関との連携を深め、第三者の視点から企業の透明性を確保することで、潜在的リスクを事前に特定・対処する仕組みの強化を図ります。加えて内部監査室の強化にも取り組み、現場のリスクを迅速に排除するとともに、社員の声にも耳を傾ける取り組みを推進します。それは社員一人ひとりと向き合うことを意味し、社員のやりがいを最大化するエンゲージメント経営や多様性尊重の推進へとつながっていきます。
また、盤石な経営基盤のためのコーポレートガバナンス体制の強化は、必然、情報管理体制やコンプライアンス体制の整備・強化を伴うものであり、そのための教育・対策およびハラスメント防止、サステナビリティ推進など、多面的な取り組みも加速してまいります。

スギ薬局グループの「目の前のたった一人のお客様のために」の考え方は、今では「お客様」だけでなく、「社員の皆様」「お取引先様」など、当社グループのあらゆるステークホルダーに向けた考え方へと昇華しており、2025年度の行動指針にも「一人ひとりに向き合う」を掲げています。
これからも私たちスギ薬局グループは「不易流行」の精神を全うし、変わらぬ理念を胸に、地域社会への貢献を目指して変わり続け、成長し続けることを皆様にお約束いたします。