当連結会計年度(2023年3月1日~2024年2月29日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の分類移行にともなう社会経済活動の正常化が進み、国内景気は持ち直しの動きが見受けられました。一方、継続的な物価の上昇による消費の減速懸念など、依然として先行きが不透明な状況は続いております。
ドラッグストア業界におきましては、行動制限の緩和にともなう化粧品需要の増加、インバウンド需要の回復、風邪およびインフルエンザの感染者数増加などによる関連商品需要の増加が見られたものの、薬価および一部調剤報酬改定による処方せん単価の下落、新型コロナウイルス感染症の沈静化にともなう関連商品の売上減少、物価高にともなう消費者の節約志向や選別消費傾向の強まり、異業種・同業種間での競争激化など、当社グループを取り巻く経営環境は厳しさを増しております。
このような環境のもと、当社グループは、調剤領域におきましては、新規開局を推進するとともに、伸長する処方せん応需に対応するため、調剤室および調剤待合室の拡張改装を実施することで、さらなる拡大に努めました。市場規模の拡大が想定される在宅調剤におきましては、在宅調剤専門店舗の開局を進めるとともに、資本業務提携先の日本ホスピスホールディングス株式会社との連携を強化することで、地域医療に対応できる体制作りに取り組みました。さらに、薬剤師の専門教育を強化することで対人業務の質的向上を図るとともに、高額処方せんの獲得拡大に努め、調剤領域での売上基盤の増強を図りました。
物販領域におきましては、人流回復や訪日外国人観光客の増加が著しいエリアへの出店を強化するとともに、既存店舗の改装や新たな商品ラインの取り扱いを開始することで、インバウンド需要を含む都市部での売上増加を図りました。一方、郊外の既存店舗でも改装を積極的に実施することで、地域のニーズに合致した品揃えを充実させ、新たなお客様の獲得に努めました。さらに、買い上げ点数などの向上に向け、スギ薬局アプリを活用した個々のお客様への最適な情報やクーポンの配信などに積極的に取り組みました。
サステナビリティ経営におきましては、ESGの各種重要課題(マテリアリティ)への対応を進めました。脱炭素社会の実現に向けては、屋上に太陽光パネルを設置する店舗数の拡大や、第三者所有モデルによる再生可能エネルギーの導入を進めました。循環型社会の実現に向けては、ペットボトルやお薬シートの回収拠点店舗を拡大し、リサイクル活動を推進しました。また、フードバンクへの寄贈を継続し、食品ロス低減、貧困解消など社会課題解決に向けた対応を行いました。さらに、国際的な人的資本開示への意識の高まりと企業の社会的責任を踏まえ、各種人的資本の開示を充実させました。
店舗の出退店につきましては、引き続き、関東・中部・関西・北陸信州エリアへの出店に注力し、144店舗の新規出店と20店舗の閉店を実施するとともに、29店舗を取得いたしました。併せて、329店舗の改装を実施することで、既存店の競争力強化にも努めました。これにより、当連結会計年度末における店舗数は1,718店舗(前期末比153店舗増)となりました。
以上の結果、
売上高は7,444億77百万円(前年同期比11.5%増、768億30百万円増)
売上総利益は2,288億37百万円(同13.0%増、263億13百万円増)
販売費及び一般管理費は1,922億15百万円(同12.5%増、213億49百万円増)
営業利益は366億22百万円(同15.7%増、49億64百万円増)
経常利益は380億39百万円(同17.4%増、56億47百万円増)
親会社株主に帰属する当期純利益は219億79百万円(同15.6%増、29億72百万円増)となりました。
なお、当社グループの事業セグメントは単一セグメントですので、セグメント別の記載は省略しております。
今後のわが国経済につきましては、景気回復の動きは継続するものの、金融資本市場の変化や、物価上昇圧力、人手不足の深刻化などにより、先行きの不透明な状況が続くものと見込まれます。
ドラッグストア業界におきましても、大手同士の経営統合を皮切りとした合従連衡に向けた動きや各社の積極的な出店による競争激化に加え、薬価および調剤報酬改定の影響など、業界を取り巻く環境につきましても、予断を許さない状況が続くと思われます。
このような環境のもと、当社グループは、中期経営計画で掲げた売上高1兆円の達成に向けた各種取り組みを加速させてまいります。調剤領域におきましては、医療事務への対物業務の移管、薬剤師への教育研修、デジタルの徹底活用、医療機関との連携などにより生産性の向上と対人業務の強化を図ります。物販領域におきましては、地域のお客様の生活様式の変化に対応した品揃え・店舗づくり、店舗の作業効率改善によるお客様へのサービス向上を図り、DXの推進などによる原価低減や投資効率の向上を目指します。
このような取り組みを継続することで、翌連結会計年度の連結業績につきましては、売上高8,100億円(前年同期比8.8%増)、営業利益は400億円(同9.2%増)、経常利益は415億円(同9.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は250億円(同13.7%増)を予想しております。
証券コード : 7649
当社では、株主の皆様からの日頃のご支援にお応えするとともに、当社取扱商品に対するご理解を深めていただくことを目的として、毎年2月末日現在の株主名簿に記載または記録された100
株(1単元)以上所有の株主様を対象に株主優待制度を実施しています。
今般、2024年3月1日を効力発生日とする株式分割に伴い、以下のとおり株主優待制度の変更を行い、株主優待対象の株主様の拡大を図ります。
また、株主優待制度の利便性の向上を目的に、株主優待券を電子ポイント「スギポイント」にも変更できることとします。
保有株式数 | 優待内容 |
100株以上 1,000 株未満 | 3,000円相当の当社優待券 |
1,000株以上 | 5,000円相当の当社優待券 |
保有株式数 | 優待内容 |
100株以上 300 株未満 | 1,000 円相当の当社優待券または スギポイント2,000ポイント(1,000 円相当) |
300 株以上 3,000 株未満 | 3,000 円相当の当社優待券または スギポイント6,000ポイント(3,000 円相当) |
3,000 株以上 | 5,000 円相当の当社優待券または スギポイント10,000ポイント(5,000 円相当) |
※ 3,000円毎のお買い物に対しスギポイント150ポイントを加算する「株主様ご優待パスポート」は従来通り進呈いたします。
2025年2月末日現在の株主名簿に記載または記録された株主様より変更後の基準に基づき実施いたします。なお、今回の株式分割は 2024 年3月1日を効力発生日としておりますので、2024年2月末日を基準日とする株主優待は、現行基準に基づき実施いたします。
配当状況 | 単位 | 2016年 2月期 |
2017年 2月期 |
2018年 2月期 |
2019年 2月期 |
---|---|---|---|---|---|
1株当り配当 | 円 | 45.0 | 50.0 | 60.0 | 70.0 |
配当性向 | % | 19.5 | 21.1 | 23.1 | 24.3 |
配当状況 | 単位 | 2020年 2月期 |
2021年 2月期 |
2022年 2月期 |
2023年 2月期 |
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1株当り配当 | 円 | 80.0 | 80.0 | 80.0 | 80.0 |
配当性向 | % | 23.8 | 23.4 | 25.5 | 25.7 |
配当状況 | 単位 | 2024年 2月期 |
2025年 2月期 |
2026年 2月期 |
2027年 2月期 |
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1株当り配当 | 円 | 80.0 | |||
配当性向 | % | 22.0 |