環境に配慮した商品を購入し、生活者自らが脱炭素行動を行うために、メーカーや流通などの企業と、2府2県1政令市(大阪府、兵庫県、奈良県、京都府、横浜市)が手を組み、生活者の脱炭素への意識・行動変容を促すことで、脱炭素社会の構築を加速させることを目指す「チャレンジ・カーボンニュートラル・コンソーシアム(CCNC:Challenge Carbon Neutral Consortium)」に、2025年度も参画しました。エコラベルやカーボンフットプリントについて学べる学習キット&自由研究コンテスト「エコラベルハンター2025」を実施し、その取り組みと連動する形で、スギ薬局アプリを用いたクイズキャンペーンを実施しました。
2025年度発表会のパネルディスカッション
アプリ検証
2025年度は「スギ薬局アプリ」利用者全員に「第2回 エコラベルマスター」を実施。昨年度に比べ、約2倍にあたる参加者となり、エコラベルの理解促進に寄与しました。参加者の中からエコラベルについて、意見を直接CCNC参画企業にフィードバックできるよう、環境に関する意識・行動についてインタビューやアンケートに協力いただける「減CO2モニター」を募集しました。
次年度は、モニター会員へのオンラインおよびオフラインでのアプローチを通じて、消費者の生の声の収集に加え、POSデータ等を活用した購買行動分析を実施します。これらの分析を通じて、教育・啓発施策が購買行動に与える影響を定量的に把握した上で、金銭的インセンティブに依存しない自律的な脱炭素市場の形成に向けたアプローチを整理し、推進してまいります。
脱炭素への意識を高めるアプリコンテンツ
2030年度における1店舗あたりのCO2排出量を、2014年度比で50%削減させることを目標として、太陽光発電による再生可能エネルギーの活用を推進しています。オンサイトPPAの活用に加え、2024年4月からはオフサイトPPAの活用も積極的に取り入れています。本取り組みにより、2050年には1店舗あたりのCO2排出量実質ゼロを目指し、持続可能な脱炭素社会の実現に向け、具体的かつ実効的な取り組みをさらに拡大してまいります。
| 1店舗あたりCO2排出量削減目標 | |
|---|---|
| 2030年度 | 2014年度比で50%削減 |
| 2050年度 | 実質ゼロ |
スギ薬局富士見店の屋上に設置した太陽光パネル
店舗の屋上に設置した太陽光パネル
2025年12月にオープンした「スギ薬局三河安城南店」は、当社グループ初のZEB認定店舗として、BELS最高ランク6つ星およびNearly
ZEB認定を取得しました。
高効率LED照明・空調設備と太陽光発電の活用により、基準建物比で一次エネルギー消費量を81%削減し、環境負荷の低減と快適な店舗空間の両立を実現しています。
スギ薬局 三河安城南店
※ZEB(Net Zero Energy
Building):省エネ設備と再生可能エネルギーにより、年間の一次エネルギー消費量の収支ゼロを目指す建物。
※BELS(Building-Housing Energy-efficiency Labeling
System):建築物の省エネルギー性能を第三者機関が評価・表示する制度。
社有車における化石燃料の消費削減につなげるべく、EV(電気自動車)を導入しています。
また、急ブレーキや急発進など車の運転状況をチェックする仕組みを導入しており、安全性確保と化石燃料の消費削減の両立を図ってまいります。
店舗や本社、各事務所の温度のきめ細かい管理、空調の定期清掃を実施し、使用電力の削減に努めています。
また、2013年度から全店舗LED化に向けて取り組みを進めていますが、老朽化したLED設備を順次入れ替えすることにより、さらなる電力消費量の削減、CO2排出量の削減につなげてまいります。
スギ薬局グループは、国土交通省・経済産業省・農林水産省が提唱する「ホワイト物流」推進運動の趣旨に賛同し、2021年8月に自主行動宣言を提出しました。持続可能な物流の実現に向け、2023年には動態管理サービス「MOVO Fleet(ムーボ・フリート)」を導入。これにより、センターから店舗までの配送状況の可視化を進め、ドライバーの法令遵守状況の把握や、納品時間・ルートの最適化を実現しました。安全で効率的な配送体制の構築を通じて、地域社会と共生しながら、安定した物流の確保に努めています。
中部本社に併設する統括物流センター
| 取組項目 | 取組内容 |
|---|---|
| 物流の改善提案と協力 | 取引先や物流事業者から、トラック運転手の手作業での荷卸し、付帯作業の合理化等について要請があった場合は、真摯に協議に応じるとともに、自らも積極的に提案します。 |
| 予約受付システムの導入 | トラックの予約受付システムを導入し、トラック運転手の待ち時間を削減します。 |
| パレット等の活用 | パレット、折りたたみコンテナ、通い箱等を活用し、荷役時間を削減します。 |
| 取引先からの入出荷情報等の事前提供 | 取引先より物流センターに物量情報データを事前共有いただくことで、構内作業者とトラック運転手の作業時間を確保し、余裕を持って作業・配送ができるよう物流合理化を推進します。 |
| 発注量の平準化 | 荷待ち時間を短縮するとともに、運行効率を向上させるため、曜日波動や月波動などの繁閑差を平準化します。 |
| 運送契約の書面化の推進 | 契約する物流事業者を選定する際には、関係法令を相互確認し、法令遵守を進めます。 |
物流業界の「2024年問題」や気候変動への対応は、社会インフラを担う小売業としての重大な責務です。当社グループは、飲料メーカーをはじめとするパートナー企業と連携し、一部の飲料配送において従来の商慣行にとらわれない「共同倉庫・共同配送」のスキームを構築しました。
本取り組みにより、輸送ルートの一元化と積載効率の向上を実現しています。具体的には、パートナー企業の拠点を「共同倉庫」として活用し、製品在庫を集約した上で当社グループ物流拠点へ大型車両による一括輸送(共同配送)を行うことで、積載効率の最大化を図っています。これにより、配送車両台数の削減による物流コストの抑制と、CO2排出量の大幅な低減を実現しています。同時に、納品回数の減少はドライバーの荷役負担や待機時間を軽減し、持続可能で強靭な物流体制の構築を目指します。
安定供給を将来にわたって維持するためには、物流現場に負荷をかける従来の商慣習を見直し、メーカー・ベンダー・小売が無理なく連携できる体制への転換が必要です。当社グループは、サプライチェーン全体最適の視点から、「リードタイムの延長」および「納品期限の緩和(1/2ルール)」を推進しています。
発注から納品までのリードタイムを「翌日」から「翌々日以降」へ緩和し、配送ダイヤに柔軟性を持たせました。これにより、店舗への到着リードタイムを従来の2日から3日へと変更しています。この取り組みは、トラックドライバーの長時間労働抑制、およびトラック台数の抑制に大きく寄与しています。
さらに、食品ロス削減に向けた取り組みとして、一部の飲料メーカー様を対象に、納品期限を賞味期限の1/3から1/2へと延長する「1/2ルール」を採用しました。受け入れ可能な期間を拡大することで、サプライチェーン全体での廃棄リスク低減に貢献しています。今後も、パートナー企業と手を取り合いながら、時代に即した物流を定着させ、誰もが無理なく働き続けられる持続可能な社会の実現に貢献してまいります。